「地域のリーダーに学ぶリーダーシップとマネジメント」講座⑤
2022年1月31日 17時12分6月15日は、有限会社松前交通タクシー 専務取締役 鶴田佑介様から聞き取りを行いました。
鶴田さんが専務となり、流し営業なし、全車にスマホ充電器装備、TiktokなどSNSで広報活動など、積極的に新しい取組をされています。そこには、輸送人員や収入などすべてが減少傾向にある中で、人を運ぶこと以外にどのように付加価値を付けて地域に愛される、必要とされるタクシー会社になれるかという未来へのビジョン、そして、タクシー業界のネガティブイメージを変えたいという強い思いがあることが分かりました。
また、対外的なことだけでなく、タクシー業界で働く中でもキャリアアップしていくために必要な従業員の待遇改善や研修制度を充実させており、働きやすい環境づくりにも力を入れていることが分かりました。
鶴田様が日頃から社員や地域の方々にどのようにコミュニケーションをとっているか、鶴田様の思いをどのように伝えようとしているかなど、一つ一つ丁寧にお答えいただいたお陰で、また新たなリーダーシップやマネジメントに関わる見方や考え方が見つかったような気がします。
お忙しい中、貴重なお話をしていただき、本当にありがとうございました。
【生徒の振り返り】
○ 今日は、松前タクシーの鶴田様からお話を聞かせていただきました。タクシー業について分かっていたようで、分からなかったことがたくさんあったので、今回のお話を通してタクシー業について色々と知るきっかけになりました。とても印象に残っているお話は、ホームページに掲載されている「新たな変革期」についてです。タクシー業は、ここ109年間ほぼ技術改革がなく続いてきた業界であり、すべてにおいて減少傾向が続いていると仰っていました。そんなタクシー業界がここから10年の間に変化し、お客さんに頼まれたこと以外で儲ける時代が来ると仰っており、具体的に何個か教えていただきましたが、本当に幅広く、驚きました。
松前タクシーがSNSに力を入れている理由にも強い思いを感じました。鶴田様の勝負で勝つという言葉や、愛媛を盛り上げ、四国の一番をとりたいという熱い思い、タクシー業のイメージを変えていきたいなどです。実際に松前タクシーのSNSを見て、松前タクシーへ入社してくる若い人たちもいるので、SNSを幅広く活用することの影響力を強く感じましたし、そのようなことを通して会社を盛り上げていくことは素敵だと思いました。
もう一つ印象的なお話が、地域貢献の一つでもあるコンビニと防犯協定を結んでいたことです。強盗などを防ぐ一つとしてコンビニの駐車場に停まっていると聞き、そのような協定があること自体を初めて知り、驚きました。
また、社内でのコミュニケーションとお客様とのコミュニケーションそれぞれ工夫や気を付けていることをお聞きしました。松前タクシーとしては接客業に力を入れていると仰っていましたが、やはり接客業にはコミュニケーションはつきもので、大切なので気を付けられていることを聞くことができ、とても勉強になりました。
鶴田様のお話を聞いていく中で、若い専務だからこそ、会社をより良い方向へと変えていこうとする勢いを感じましたし、それが実際に結果として表れていることがすごいことだと思いました。会社拡大のために若手の意識が変わってきているお話も聞くことができ、これから更に松前タクシーが幅広く名を残していくことを楽しみになりました。自分が分からなかったタクシー業の具体的な仕事についてや、地域貢献への具体的な取り組み、鶴田さんの考え思いなど本当にたくさんお話を聞くことができました。大変お忙しい中貴重な御時間をいただき本当にありがとうございました。松前タクシー是非利用させていただきます!
○ 松前タクシーの鶴田さんのお話をお聞きしました。鶴田さんは SNS を活用したり、新たな仕組みを導入されたり、と鶴田さんの若さを生かし、時代の変化に合わせた柔軟性のある会社経営をされていました。鶴田さんはお話の中で「失敗は栄養だ」とおっしゃっていました。失敗を恐れずチャレンジしてみる。実際に、鶴田さんは今の会社に入られる前にタクシー会社とは異なった業種のお仕事をされており、あえて異なる業種にすることで自分の固定概念に囚われず、いろんな価値観や広い視野を持つことができると考えたからだそうです。
また、自分の中で正しいと思うことを他人からの意見で曲げてはいけない。と強くおっしゃっていました。自分が正しいと思ったことが、人から非難されたり、否定されたりした時、つい「やっぱり自分が違うのか」と考えて、自分の考えを引っ込めてしまうことがあります。周りに同調してしまい、流されてしまうことも多くあります。しかし、後から「やっぱり自分の意見が合っていたのに」と後悔してしまうことは、それ以上に多くあります。後から悔やんでも、その時に決めなければ意味がないと思いました。特に経営者は、自分の決断が社員の方や会社、また関わっている他の会社に影響を与えることがあります。だからこそ、瞬時に物事を判断し、何よりもその決断に責任を持つ、強い意志を持つことが大切だと感じました。
タクシーは「目的地までお客さんを乗せて行く」といったイメージが私の中でありました。しかし、松前交通タクシーさんは地域に密着した会社でタクシーという仕事を 「旅客運輸業」ではなく、「接客」と考えているとおっしゃっていました。 流し運転を行なっていない分、利用していただいている地域の方に玄関から目的地まで荷物を運ぶなどのサポートも行なっているそうです。これからのタクシー業界は、ゴールデンエイジと呼ばれる時代に入り 「お客さんを乗せる」ではなく、地域を支える役割を持つ幅広い可能性を持った職業として 注目されているそうです。私たち高校生は普段自転車や電車などで学校に通学しており、タクシーを少し離れた存在だと思っていました。しかし、私たちの知らなかった新たな世界を知ることができ、とても貴重な経験をさせていただくことができたと思います。ありがとうございました。