令和6年度「探究学習実践型」モデル校に指定

本校は、令和6年度県立学校振興計画推進事業における「進学指導研究推進プログラム」において、「探究学習実践型」モデル校に指定されました。

探Q ホームページ用2

令和6年度 後期探Q 講座一覧

令和6年10月~令和7年3月までの期間、以下の探Q講座から選択し、探究活動に取り組んでいます。

  • NIE~身近な時事問題学習~
  • 地域のリーダーに学ぶリーダーシップとマネジメント
  • 幼児教育・保育系学校への進学に向けて
  • 清掃ライド ~ごみの写真集をつくろう~
  • ドローンの活用
  • 医療人を目指して
  • マーケティングしてみよう
  • 小中学校での出前授業を踏まえた 理科の実験と指導法の研究
  • 生涯スポーツ・運動と健康について
  • 海ゴミゼロ活動
  • カブトムシを育てる ~「指先から伝わる感動」~
  • スポーツを活用したまちづくり
  • 小さなまちの小さなアート
  • 音楽表現探究及びコンサート企画運営探究
  • 書道がつなぐ世界
  • nudge理論から考えた生活改善
  • 国際ボランティアと国際平和
  • グローカルなまちづくり
  • はだか麦プロジェクト
  • Scratch教室を開こう

探Qブログ

「地域のリーダーに学ぶリーダーシップとマネジメント」講座⑦

2022年1月31日 17時55分

 

9月28日、前期探Q成果報告会を実施しました。

前期講座のメンバー6名は全員3年生なので、今回の報告会でいわゆる引退となります。 

リモートではありましたが、全校生徒の前で立派に発表することができました。

 

 【生徒の振り返り】

○ 私は、2年生の前期から地域のリーダーから学ぶリーダーシップとマネジメント講座を選択し、学びを深めてきました。本講座では普段できないような貴重な経験をたくさんさせていただき、様々なことに挑戦することができました。

  私がこの講座を選択した理由は、リーダーシップに興味がありこの講座でリーダーシップについて学びを深め、今後の自分づくりにつなげていきたいと思ったことがきっかけでした。実際、自分が学びたかったリーダーシップより予想以上のことを学ぶことができました。松前町で活躍される企業のリーダー(社長や管理職)の方から、各企業の個性あふれた人柄の中にも社員を思う素敵なお話をたくさん聞かしていただいたり、これからの社会や時代に求められるリーダーシップやマネジメントについてたくさんのお話を聞くことができたりし、「こんな考え方もあるんだな」と自分自身の考え方の視野を広げることができました。

  また、この講座を通し、松前町の素敵な企業の皆様に出会えたことで松前町が更に大好きになり、松前町にある唯一の高校である伊予高校に通えていることに誇りを持つことができました。「松前町にはこんなにも素敵な企業があるんだぞ」ということをもっとみんなに発信したいということで、リーフレットを作成し松前町で活躍するリーダーの思いを伝えるという活動もさせていただけて本当に良かったです。リーフレットを配布させていただいた中学生や地域の方に、松前町で活躍される企業のリーダーの思いが私たちのリーフレットを通して伝わっていたら嬉しいなと思います。

  次に、成果発表や社会共創コンテストに向けて分析したり、論文を書いたりしたことです。普段論文を書いたりすることがないので、学んだことを文として分かりやすく まとめることに正直とても苦戦しましたが、先生や同じ講座の友人にアドバイスをもらい助けてもらいながら書くことができました。本当に貴重な経験ができました。

  本当にこの感想にはまとめきれないほど企業の皆様から素敵な話をたくさん聞いて学んだことは多くあります。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。この高校生という残りわずかな時間ですが、企業の皆様から教えていただいた、逃げずに挑戦すること、たくさん失敗してもいいからとにかくTRY!することを忘れずに過ごしていきたいです。

  最後に、これまでたくさんのことを経験させてくれた先生、一緒に学びを深めてきた講座のみんな本当にありがとうございました!!この講座に出会えたこと素敵な企業に出会えたこと尊敬できる講座の仲間に出会えたこと感謝しかないです。この探Qの時間は私にとって一生の宝になると思います。本当にありがとうございました。学んだこと無駄にせず今後の人生に生かしていきたいです。ありがとうございました。

 

○ 私はこの講座を選択して、得ることができた大きな学びの一つに「自分の意思を持つ」ということがありました。私自身、マネジメントに興味を持っていたことや、マネージャーとしてこの講座で学んだことを生かすことができるのではないかと考え、この講座に参加しました。しかし、マネジメントだけでなく、企業の方の聞き取りを行う中で自分の弱みを見つめ直すきっかけにもなりました。その中で、自分の意思を貫く力と前向きに考えるという課題を見つけることができました。聞き取りを行った、企業のリーダーや経営者の方などは、自分の決断が社員の方や会社、また関わっている他の会社に影響を与えることがあります。だからこそ、瞬時に物事を判断し、その決断に責任を持つ強い意志を持っているリーダーの方に刺激を受けました。

  私は、周りからの評価を気にし過ぎてしまうことがあり、自分よりも、相手の気持ちを優先してしまうことが多くありました。失敗を恐れて、自分の気持ちが曖昧になってしまい、自分の意見を持つような話し合いの場で、積極的な意見を出すことができにくくなっていました。自分に足りないのは、周りに否定されたり、非難されても、自分の中で決めた強い意思を持ち続ける力であると気付きました。また、自分の強い意思を持っていなければ、もし失敗した時に周りのせいにしてしまい、次のステップに生かすことができません。自分の意思を持って取り組むからこそ、失敗した原因が自分の問題として明確になってくると考えています。また、それをチャンスだと捉えることで、今まで知らなかったその仕事の側面だったり、自分にとって大事な学びのきっかけを得られることにもなります。自分で最初から決めつけてしまうのではなく、前向きに考え、新たなチャンスだと捉えることで、自分の成長につながると信じて自分から積極的に取り組んでいきたいです。

  また、社会人となる上で、周りに流されて他責にしてしまうのではなく、自分の意見を持った上で、自分の原因や問題を見つめ直すことが自分の成長につながる大きな一歩であると思います。そして、今期の活動では、今まで行ってきた聞き取りの内容をより深く自分たちが理解し、それぞれの企業の強みを見つける方法を模索するという取り組みに重きを置いていました。その一つとして、今期は松山大学の経営学部の柴田先生に御講義をしていただきました。そこでは、今まで行った活動の分析方法やそれぞれの企業の経営や価値などの様々な分析方法について教えていただきました。分析を行うことで聞き取りだけでは気付くことのできなかった企業の魅力や戦略を明確にすることができました。調べる中で、固定概念に囚われない新たな側面からの戦略があるという発見もあり、経営学の経営戦略分析に興味を持ち、自分の進路実現に向けた活動になったと思います。

  また、この講座では、松前町のリーダーの方という限定した聞き取りを行うなかで、私の知らなかった地元の企業の魅力や、身近な商品が松前で作られていたのだという発見につながったということも大きな学びにもなりました。特に、中小企業の存在については、今まで知る機会が少なく、企業の方の松前町に対する熱い思いをお聞きすることで地元の魅力に新たな面から気付くことにもなりました。また、この講座に松前町出身の人が少ない分、客観的な視点から見た松前町についての意見も知ることができたり、今まで当たり前だと思っていた地元の魅力を知ることができたことは、自分の住んでいる地元を誇りに思うことにもつながりました。今後は、地元に貢献できるような人材となるために、松前町の魅力を生かした戦略を大学で学びたいと考えています。この講座で学んだことを自分だけでなく、周りにより発信していくために、より深い知識を大学で学び、地域に生かしていきたいです。

 

○ 私はこの講座で2年間学び、「共通点と相違点」を意識して特に広い視点から物事を考えられるようになったと感じています。今期は、今まで以上に「分析」に力を入れたと感じます。松山大学経営学部の柴田先生の出張講義で経営分析を学びました。価値分析、現状分析、競合分析の三つの観点から分析でき、私たちは価値分析、現状分析を行いました。自分たちの活動の分析を行い、自分たちの現状を知るとともに、これからを考えました。自分たちの活動を分析することはこれまで行ってきたことの整理になりました。

  リーダーシップとマネジメント研究では、これまでと違う職種のリーダーを選び、向井燃料の向井さん、松前交通タクシーの鶴田さんにお話を伺いました。向井さんのお話では、「気づいたら壁を越えていた」というお話が心に残っています。どうしようもない壁が立ちはだかっても、考えているうちに気付いたら壁を越えているというものです。私は、部活動などで悩むことも多く、どうしていいか分からないこともあります。後輩を頼り解決できることもありますが、一人で考えないといけないこともありました。そんな時このお話を聞いて、「悩む=考える」であり、考えている間に案外簡単な問題だったと思うことも増えました。悩むこと自体が苦しいと感じることも多かったですが、お話を聞いて自分にはない考え方を知り、狭まっていた視野が広がったと感じます。

  また、鶴田さんのお話では特に、地元である松前町に対する思いを強く感じました。高齢化や過疎化が進む中でこれから、タクシー業は人を乗せるだけでなく、荷物運搬など他の仕事と複合的な仕事を担うと仰っていました。ここは、何度も鶴田さんが言われていたタクシー業に対する少なからずある負のイメージを変えたいという思いとつながるのではないかと考えます。

  今期は2名の方に聞き取り調査を行い、これまで聞き取り調査を行った分析結果と比較しながらの質問など、より考えながらお話を伺うことができました。聞き取り調査の内容も、価値分析、現状分析を行いました。人ではなくあくまでも企業の分析でしたが、企業にはリーダーの思いが強く表れており、聞き取り調査で実際に学んだ考え方は分析からも読み取ることができました。

  1年生の10月、この講座をとった時は「リーダーシップ」とは人の前に立ち人を導くこと、「マネジメント」とはそれを行うための過程であると考えていました。しかし、2年間活動し、様々な業種のリーダーにお話を伺ったり分析したりすることで、それぞれ何が正しいといった定義を付けることはできないのではないかと考えるようになりました。リーダーがいて、リーダーシップを発揮したり、マネジメントを行うことで企業が成り立ちます。ここでのリーダーシップやマネジメントには、必ずリーダーの「地元に貢献したい」や、「社員を大切にする」といった思いが存在し、それをリーダーシップとマネジメントというのではないかと考えます。特に、後半の1年間でリーダーの思いに注目してリーフレットを作成、配布したり、『ココロエえひめ』へ記事を載せていただく活動をしたりしたことが、最終的な私なりのリーダーシップとマネジメントの考え方につながりました。

  2年間活動し、考え方はもちろん、分析方法を学び実践したことで、分析力を身に付けることができたと感じます。私の探Q活動は今回で終わりますが、この講座で継続して学ぶことができて良かったです。ここで学んだことをこれからの様々な活動に生かしていきます。

 

○ 2年間のこの講座の活動を振り返ってみると、実に10人以上の方々のリーダーのお話を聞きました。その中でそれぞれ違った、リーダーの思いや価値観に触れることによって自分自身の価値観の変革にもつながったような気がします。時には調べ学習を行ったり、時には聞き取り調査の内容を話し合いながら分析したり、時には文字起こしをしたり、時にはコンソーシアムに参加し他校のプロジェクトという刺激を受けたり、時にはリーフレットを作成したりと、2年間という短いようで長い期間で様々な活動を行ってきました。自分にとっては全部有意義な時間であって、この講座を選択し、継続して研究に取り組めたことは本当に良かったと思います。

  この活動を通して、一番心に残った活動は、なんといっても「リーダーの思い「見える化」プロジェクト」だと思います。私たちが聞き取ったリーダーの思いを最初は主観も交えながら分析して後から客観的に分析する工程もありました。テキストマイニングツールや分析方法としてKJ法などをうまく活用して、できるだけ分かりやすくすることを目標にまとめることができたと思います。それを松前町の中学校に配布し、「知らない」を解消する取組をしました。私たちの活動が中学生の「知らない」を解消できたかは分からないことではありますが、それでも地域「松前町」の若い世代のために高校生が主体となって活動したことに、とても大きな意義を感じています。配布する時、中学校の校長先生が「とてもありがたいし、地域のためを思って活動してくれていることが嬉しい」と語ってくださり、自分としても嬉しいことですし、高校生としての株が上がったと言えば変に聞こえるかもしれないですが、結果としてよかったと思います。そして、このプロジェクトが愛媛大学の社会共創コンテストで受賞できたということは自分的には想定外の出来事だったけれども素直に嬉しいことであるし、これまで活動を続けてきた成果が、このような形ではあるが社会に認められたと考えれば、感無量の気持ちでいっぱいです。

  一年生の後期から三年生の前期までの「探Q」の活動でしたが、計四期この活動に携わることができて本当に良かったと思います。まだまだこの活動は未完であるし、自分としてもやり残したなと思うところも少々あったりしますが、今は自分の進路に向かって歩んでいくのが最優先なので、名残惜しい気持ちもありますが、逆に清々しく後輩に託せるような気がしています。伊予高の中でも1、2を争うくらい良い講座だと思うので長いこと続いてほしいなと思っていますが、現実はそうは甘くないようです。ですが、もし仮に続いた場合、伊予高の歴史に名を刻めるような基盤を作れたと確信しているので、なんとしても続いてほしいと思う所存であります。

  最後にリーダーシップとマネジメントについて、私は将来、地方行政に携わる仕事がしたいと考えています。この中で特に必要なのはマネジメントだと考えます。その理由としては、リーダーシップという人をまとめて正しい方向へ導くことも大事ではありますが、地方行政においては、県民(市民)を第一に考えて、公共事業や政策を行う必要があります。私が今思っているリーダーシップとマネジメントは「リーダーシップは一つのグループの未来を懸けた舵取りをすることで、マネジメントはそれに従いより良い方向へと軌道修正を行う大事な役目」という風に感じています。Iターンなど人口流出が途絶えない中で、地域社会をどのようによりよくするか、どのように住みやすい街づくりにするか、必要なのは行政によるマネジメントだと思います。自分自身もその中の一員として携わっていきたいと思います。これからの人生でもリーダーシップとマネジメントを感じながら生活をしていきたいとも思いました。

令和5年度 後期探Q 講座一覧

令和5年10月~令和6年3月までの期間、1・2年生は以下の探Q講座から選択し、探究活動に取り組んでいます。

  • 「NIE~身近な時事問題学習~」
  • 「幼児教育・保育系学校への進学に向けて」
  • 「スポーツを活用したまちづくり」
  • 「観光ガイドブックをつくろう。」
  • 「データ利活用探究講座」
  • 「清掃ライド~自転車に乗って町をきれいにしよう~」
  • 「みて・考えて・話そーや ~対話型鑑賞を通して~」
  • 「ドローンの活用」
  • 「看護について学ぼう」
  • 「データから考える防災・環境」
  • 「小中学校での出前授業を踏まえた理科の実験と指導法の研究」
  • 「共生社会を目指して」
  • 「伊予高校を盛り上げよう」
  • 「音楽表現探究及びコンサート企画運営探究」
  • 「美術表現探究」
  • 「書表現探究」
  • 「外国事情と国際ボランティア」
  • 「グローカルな街づくり」
  • 「地域のリーダーに学ぶリーダーシップとマネジメント」