【アクティブ・ラーニング】高大接続シンポジウム
2019年1月30日 11時55分大阪大学 高大接続シンポジウム
高校における探究学習の未来 ~組織的展開と持続可能性を考える~
〇開催日時 12月22日(土曜日)13時30分 - 17時30分
〇開催場所 大阪大学豊中キャンパス 基礎工学国際棟シグマホール
〇日程
13時30分 - 13時35分 開会挨拶 (大阪大学副学長 豊田岐聡 氏)
13時35分 - 14時30分 基調講演
「高大接続改革が拓く未来~探究学習とこれからの学力~」
(日本学術振興会顧問、文部科学省参与高大接続改革担当、内閣府人工知能技術戦略会議議長 安西祐一郎 氏)
14時30分 - 14時55分 大阪大学の教育改革(大阪大学理事・副学長 小林傳司 氏)
15時05分 - 15時30分 探究学習の指導者をどのように育成するのか?
~大阪大学4年間の取組を振り返る~
(大阪大学全学教育推進機構准教授 佐藤浩章 氏)
15時30分 - 17時20分 パネルディスカッション
「探究学習の組織的展開と持続可能性を考える」
報告者:兵庫県立兵庫高等学校 主幹教諭・SGH推進委員長 大前吉史 氏
清教学園中・高等学校 教諭・グローバル教育運営委員会委員長 中西雅子 氏
文部科学省初等中等教育局参事官(高等学校担当)付専門職 矢田裕美 氏
モデレーター:大阪大学副理事 進藤修一 氏
17時20分 - 17時30分 閉会挨拶
高大接続はもとより、これからの学校教育において外すことのできない「探究」をテーマにシンポジウムが開催され、参加して来ました。
日本学術振興会顧問である安西祐一郎氏の基調講演では、探究学習が議論される背景について分かりやすく講演していただきました。高等学校では、来年度から移行措置が始まる高校の新学習指導要領において、今までの「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」として実施されることになります。また、各教科においても「探究」を軸にした学習が行われることになっています。そこで、目の前の生徒たちが生きる“これからの社会”や“これからの社会で必要とされる学力観”が明確でないばかりか、共通認識として受け入れられていないことが問題となっています。そのためにも高大接続を単なる入試改革で終わらせることなく、子どもたちの成長全体を支える教育改革としてとらえ、改革の理念と現実にギャップがあることについて考え直さなければなりません。そして、新しい時代の「教育」と「学び」を実践するためには、主体的な学び(アクティブ・ラーニング)と思考力の育成が重要であると再認識できました。
大阪大学全学教育推進機構の佐藤浩章氏の講演では、大阪大学の取組をもとに、探究学習の指導について、どのように考えるべきなのか考えることができました。新たに始まる学習活動には、これまでの学習とは異なる新たな視点で臨まなければなりません。新たな学力観にもとづいて、これからの社会で必要とされる子どもたちを育てていくためには、教員・学校自体が取り組むべき課題が山積していることを受け止め、研究しなければならないと痛感しました。
パネルディスカッションでは、まず、兵庫県立兵庫高等学校、清教学園中・高等学校における取組・実践報告と、文部科学省初等中等教育局におけるSociety5.0に向けた高等学校改革について話をしていただきました。特に、兵庫高等学校における探究を推進する組織づくりや、清教学園中・高等学校における図書館・ICT等のハード面の利活用からは、考え、学ぶことが多くありました。パネルディスカッションでも、探究学習と教科教育の連携や、教育改革を組織全体に拡大していく取組など、さまざまな課題について議論し、意見をいただくことができました。
「探究」は、今、高等学校だけでなく、教育に携わる者全員が考えなければならないテーマであると思います。一時の話題ではなく、目の前の生徒たちにとって、将来必要とされる力を議論し、それらを身につけるための教育・学びを考えていくことが目下の急務であると考えています。