伊予高日誌

正しく恐れる ―ヒトではなく、ウイルスを

2020年5月15日 09時31分

 松山市内で集団感染が発生し、感染者の家族が通っていた高校が分散登校を2日間中止しました。松山市内や松前町内の学校でも影響が広がっています。

 

 このようなニュースが流れると、不安が増す人が多いのではないかと思います。不安感が増すと、誤った情報を「拡散」してしまったり、だれかを悪者に仕立てて、誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)したりする危険性があります。

 

 悪いのはウイルスであって、感染してしまった人ではありません。

 

 私たちは誰でも、家族と一緒に生活していたり、通勤通学・仕事や買い物などで他人と接したりします。一人だけで、他人との接触を一切しないで生活できる人はいません。いつかどこかで、運悪くウイルスに感染してしまう可能性は、誰にでもあります。

 

 自分ではどうにもならないことで、他人から悪く言われたり避けられたりする、それは差別です。人間として、してはいけないことだと、皆さんは小学生のときから繰り返し学んできたはずです。

 

 感染した人や医療関係者への差別がニュースになっています。一方で、感染した人や医療関係者への差別を防ごうとする動きも県内で広がっています。

 

 「正しく恐れる」というのは、感染した人や医療関係者、その家族を悪く言ったり、避けたりすることではありません。それぞれが感染回避の行動を取りながらも、アクシデントに見舞われた方や感染拡大を防ごうと奮闘している方々、その家族への、連帯・感謝の念を持って、生活していきたいものです。