本校は、県立学校振興計画に基づいて、令和8年度より普通科と芸術科に教員養成コースを設置いたします。
地域の小中学校と連携し、愛媛の教育の将来を担う人材育成に取り組みます。

その取組の一環として、10月10日(金)の午後、伊予市立翠小学校にて教育体験実習を実施しました。
将来、教員や保育士など子どもに関わる職業を志望する生徒30名が参加し、子どもたちとの交流や授業補助などを通じて教育現場を学びました。
実習では、
を行いました。

生徒たちは、児童と目線の高さを合わせて話す、名前を呼びながら関わる、学年や性格に応じた接し方を工夫するといった姿が見られました。
また、授業観察では教師の板書の工夫、発問のタイミング、グループ活動の指示の仕方、児童一人一人への支援方法などを細かくメモし、主体的に学ぶ姿勢が印象的でした。
「褒めて伸ばす声かけ」「子どもたちの表情」など、教育現場で見えてくる一つ一つの事象に関心を持つ様子が多く見られました。
参加した生徒の振り返りから、「教員の準備の大切さ」「子どもたちへの声掛けの工夫」「目の前のことだけでなく全体を見る」など、多くの学びがあったことが分かり、大変充実した実習となりました。
この実習を通して、生徒は「子どもと関わる喜び」を実感するとともに、「教育に携わる責任感」などにも触れることができました。
実習を受け入れてくださった翠小学校の先生方、児童の皆さまありがとうございました。
今後も本校では、教職のやりがいや教育の魅力を体験的に学べるカリキュラムを研究し、教育現場での実践的な学びを提供することを通して、愛媛県の教育の即戦力の育成を進めてまいります。

☆☆☆生徒の振り返り☆☆☆
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1クラスに複数の学年が一緒に授業を受けていると聞いたので、自分たちが普段受ける授業とどう違うのかを見つけることを目標に立てました。
実際に授業を見て、1つのクラスに2学年混じっていて5,6年生のクラスを担当しましたが、学年によって学ぶ内容も違うにも関わらずどのように授業していくのか疑問に感じていました。教室に入ってみると、前後に黒板があって、先生一人が二つの黒板を使って授業をしているのを見て驚いた。また、大変さも感じた。授業の仕方から自分が受けてきた授業と全然違うと思ったし、どの学校も1学年が1クラスで授業をしていることが当たり前ではないことを改めて感じた。2学年混じっての授業では、先生がどちらかの学年を説明をしてる時に、もう一つの学年は問題集に取り組ませるなど、どちらの学年にも先生の説明待ちの時間がないよう工夫して授業をされていた。
今回の講座を通して授業の仕方を知ることができ、生徒たちとも積極的に話すことができたと思います。生徒と話す時はきちんと顔見て話すことが大切だと思いましたし、当たり前のことですが意外と顔を見て話せてなかった時もあったので、当たり前のことだからと言って無意識にできるわけではないと感じました。今回の実習を通して生徒と上手くかかわることは大切ではあるが、先生側の立場としてでも参加させていただいているので、翠小学校の先生方が児童の見ていないところで準備や片付けをされていることもあるので、先生方が授業以外でどういうことをされているかも知っておくことが大切だと思いました。
今回は先生方の動きについて、あまり注目できていなかったので、次回参加する機会があれば先生の動きを意識し、どのようなことをされているかを発見できるように参加したいと思った。(高3)
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私は先生方がどのようにして児童をまとめているかというところに注目して今回の体験に臨みました。
そして自分が感じたことは、ほとんど指示の声がなかったことです。先生方は「○○してみたら?」や「○○はどう?」など指示ではなく、提案をして生徒自身に選択しを与えていました。自分が生徒の立場だと提案をしてくれることで自分の考えを伝えやすくなる。そうすることでまとめていくことを学びました。
自分が一番印象に残ったのは生活科の時間です。1年生は工作をしていてA君と迷路を作りました。手伝う前からすごい作品ができていてすごく驚きました。「うまくいかないからどうしたらいい?」と聞かれた時は、一緒に段ボールを切って壁を作ったり、「難しくしたい」と言われた時は一緒にギミックを考えたりと、私も楽しんみながら取り組むことができました。仮完成した迷路で遊んでゴールした時は、A君とハイタッチをしました。その時に一緒に作ってよかったなと達成感がありました。また、イモリを探しに行ったり、砂場で砂遊びをしたりするなど懐かしい遊びもたくさんできました。気を付けたことは、目線を合わせることと全部自分がしないことです。先生方の提案の真似をして、自分もいくつかの選択肢を出しました。そうすることでより一歩教職の立場に近づけた気がします。
今回学んだことは、選択し与えわかりやすくするということです。これは部活でも一緒だと思います。後輩に対しても一方的に指示を与えるのではなく、自分の立場ではどうかと考えることが大事だと思います。1年生のクラスに入ったことでそれがより一層理解できました。このような貴重な体験を今後の学校生活や部活に生かしていきたいです。自分にとってとても有意義な時間になってよかったです。(高2)
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目標は、授業中の先生の児童に対しする接し方、板書の工夫です。
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年生を担当し、ついついデレデレしてしまう私と違い、敬語で、やるべきことをきびきびと伝える先生の姿がとても勉強になりました。高校生が来たことをすごく喜んでくれて、自分の得意なことをたくさん見せてくれたことが、とてもうれしかったです。一緒に授業を受けた先輩方が、「~もいいけど、こっちのほうがよくない?」、「~から切ったほうが切りやすいよ」、「~くんこれはそう使うのじゃなくて、こう使うんだよ」などと、共感するだけじゃなくて、自分の意見も交えてお話しているのがとてもいいなと思いました。私は、「これはこうする?」などと、その子の意見をそのまま聞いていて、作業が効率よくできるような工夫を考えて伝えることができていなかったので、先輩の表現を参考に、考えながら伝えられるようになりたいです。
工作をしているときに、マスキングテープを必要としている子が3人いるが、テープは2つしかない、という状況がありました。その時、ふと頭に「喧嘩したらどうしよう」と浮かびましたが、「これいいよ」とみんなで譲り合っていて、争いが起きていない教室はこんなにも平和なんだな、とほっこりしました。私も、1年生の児童たちの思いやりのある心を見習いたいと思います。給食を食べている時、「~さんいつもより早いね」「~さん最初は牛乳半分しか飲めなかったのに、今では全部飲み切ることができるようになったんです」と、先生の声掛けがありました。一人一人のことをしっかり見ていて、自信がつくような言葉を伝えていて、素敵だと思いました。
今回初めての教育体験実習で、イメージだけでは補えなかった部分がたくさんあり、改善点ばかり見つけました。今日私がうまくできなかったことは、自分の意見を伝えることと、もっと効率よく行える方法を考えていなかったことです。次、また教育実習体験に行けることができたら、その二つを意識して取り組んでいきたいです。そのために、日頃から、周りの意見に共感するだけでなく、よく考えて、自分の意見を持つことを目標として頑張っていきたいです。(高1)

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今回の体験実習において私は「先生の生徒とのかかわり方を学ぶ」という目標を立てました。
私は2年生のクラスで実習させていただいたのですが、担任の先生は児童一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとられていました。5時間目に生活科の自分でおもちゃをつくるという授業を見学させていただいたのですが、その時に先生はAさんの作品に、「長さの勉強したけれど、得点の間の長さがバラバラなのは大丈夫?」とアドバイスをされていました。自分から習ったことを使っていく工夫を見つけることができました。単にコミュニケーションをとり、アドバイスをするのではなく、他教科で勉強したことを生かせるアドバイスの仕方を自分も取り入れてみたいです。
翠小学校に着いた時は、グラウンドに綱引き用の綱がおかれていたが、昼休みに様々な学年の児童と遊んでいる時に、小学校の先生方が綱を片付けられていました。その時には鬼ごっこをしており、走っているときに引っかかって転んでしまうという状況も考えられました。また、生活科の授業の時に、先生がめあてを書いたものを黒板に貼っていたのですが、それも、今改めて考えると昼休み中に担任の先生が準備をしていたのかもしれないなと思いました。「高校生のおにいさん、おねえさん」という立場ではなく、一人の「先生」として周りに目を向けて気づくべきだったと感じました。
次回は、今日の反省点と言える「一人の先生として、全体に目を向ける」ということを大切にして、アドバイスの仕方、かかわり方など、今後の学校生活にも生かせるところは、積極的に取り入れていきたいです。(高1)
- 今回は初めての教育体験実習だったので、目標である「教える側の一員として考えて行動する」をもとに行動しました。普段は生徒側として学校生活を送っていますが、先生側の体験をし、自分なりに子どもたちをサポート出来るように頑張りました。
先生の立場として意識したのは先生の観察です。先生方は生徒たちの見ていないところで真剣に職務をこなしていることが印象に残りました。先生方は児童たちのことを本当によく見ているなと思いました。児童がしたことを小さいことだとしてもしっかりほめていました。子どもたちはとても元気で、虫を捕まえたり、授業中でも元気いっぱいに発表したりしていて偉いなと思いました。僕は算数の円の部分をマンツーマンで教えました。普段同い年の人に教える感覚で教えてしまうと、スピードが速すぎるので、児童の目線に立ち、少しずつ教えることを意識することが出来ました。初めてだったので、少しぎこちなかったけれど、児童が問題を解けた時は僕もうれしい気持ちになりました。
今回の体験実習で、先生の立場に立ってみることで、今まで気づけなかった苦労や工夫をたくさん知ることができました。毎日生徒たちのことを考えながら仕事をしている先生を見て本当に凄いと思いました。これからの学校生活では、先生に感謝することだけでなく、先生の観察も心掛けたいと思いました。(高2)