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【アクティブ・ラーニング】先進校訪問

2019年1月30日 11時45分

先進校訪問 広島県立福山誠之館高等学校 公開授業研究会

〇開催日時 11月1日(木曜日)12時45分 - 16時35分
〇開催場所 広島県立福山誠之館高等学校
〇日程
12時00分 - 12時45分 受付
12時45分 - 13時35分 研究授業(総合的な学習の時間「誠之ゼミ」)
13時45分 - 14時35分 研究授業(地理歴史(日本史B))
15時00分 - 16時35分 研究協議

広島県立福山誠之館高等学校の公開授業研究会へ、本校の国語、地理歴史、数学、理科、英語の6名の教員で参加してきました。本研究授業は、「本質的な問いを意識した単元設定に基づく授業」をテーマに、総合的な学習の時間および各教科の授業実践が行われました。

また、今回の研究授業には、SGHやユネスコスクールの指定を受け、「グローバルキャリア人」の育成を進めている神戸大学附属中等教育学校も、研究協力校として参加しています。神戸大学附属中等教育学校は「Kobeプロジェクト」と銘打って、教科学習と総合的な学習の時間を汎用的能力の視点から整理し、探究学習を進めています。

 総合的な学習の時間では、生徒一人一人が自身の関心に基づいて、研究論文の完成を目指します。十数名の講座をさらに数名ずつのグループに分け、ゼミ形式で研究・発表を進めていきます。教員は毎週いずれかのグループを指導し、生徒は月1回ペースで研究の進捗状況を報告し、相互に質問、助言、評価していきます。相互評価では、生徒同士が発表者の論文をルーブリックと照らし合わせながら評価・助言し、他者の意見を受け入れ、論文を改善し、完成につなげていきます。報告をしないグループは、月1回の報告・発表に向けて、個人で研究を進めていきます。

 教科の研究授業では、2年生の日本史Bの授業を参観させていただきました。10~12世紀半ばにおける武士団がどのような集団であったのか、複数の絵画資料をもとに文章でまとめ、武士団が歴史上果たした役割を、史実と結びつけて考える学習でした。班ごとに「まなボード」と呼ばれるホワイトボードに考えをまとめ、クラス全体で共有します。発表や班内の協議内容のメモをもとに、個人で課題の論述に取り組みます。授業のまとめでは、ルーブリックを用いて、自己評価を行います。ルーブリックでは、「資料活用の技能」「思考」「表現」などの観点ごとに、どれだけ達成できているのか、自分自身で判断することが求められます。印象的であったのは研究協議において議論された、深い学びを目指すのであれば、授業者の授業設計を越えて、生徒たちの学習活動が発展していくこともあり得るという観点でした。授業実践ごとにルーブリックが徹底されており、そのうえで授業のねらいや生徒につけさせたい力、授業計画の重要性を再確認しました。

 課題研究を行う総合的な学習の時間においても、教科の学習においても、生徒自身がどのような方向性を目指せばよいのか具体的に把握できることが重要であると思います。漠然とした課題意識や抽象的な問いから、具体的な学習活動に結び付けていくためには、ルーブリックが非常に有効な手段の一つとして活用できると感じました。